タイ産天然ゴムの集荷量が落ち込んでいる理由

タイのセントラルマーケットの天然ゴム集荷量が落ち込んでいる。3市場合計だと、前週段階での未燻製シート(USS)の集荷量は日量20~50トン水準だったのが、今週は10~20トン水準まで減少している。主要な天然ゴム生産国は最低売却価格設定の方向に動いているが、これに加えてタイ政府が単独介入方針を示したことで、農家が安値での在庫売却に慎重姿勢を強めている。

タイ政府は1kg=60バーツで農家から収穫済みのゴムを買い上げ、それを政府在庫に組み入れる方針。現在、セントラルマーケットではUSSで49~50バーツ、RSSで52~53バーツ水準で取引が行われているが、これよりも2割近い高値で売却するチャンスが発生している訳だ。

主要天然ゴム生産国は1kg=150セントを最低売却価格とすることで事実上の合意形成を行っているが、タイ国内ではそれでも生産コスト割れとの声が強く、更に国内価格を刺激するための対策が必要と判断されている。経年劣化した現在の政府在庫を海外ユーザーに60バーツ以上で売却するなど、かなり楽観的で都合の良い前提で計画を立てているが、タイ産ゴム価格に対しては間違いなくポジティブな動きである。実際に、上海ゴムが上げ一服となっている中でも、タイ産オファーは高唱えになっている。

もっとも、この種の施策はタイ産天然ゴムの国際競争力喪失につながることになり、本来は「やってはいけないこと」である。中長期的な農業戦略よりも、目先の農家の不満を沈静化させることが優先されていることは、インラック前政権も現在の軍事政権も変わりがない。

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