インドの金需要に期待できる?/できない?

インド宝飾業界団体によると、9月の同国金輸入量は95トンに達した模様だ。インドでは、輸入関税引き上げ、80-20ルールなどの金輸入規制の強化を受け、最近の月間輸入量は15~20トン前後まで落ち込んでいた。しかし、10月23日のディワリー祭を前に、海外からの金調達量が拡大している模様だ。10月も70~80トン前後の輸入が想定されている。

このため、マーケットではインド実需の金価格押し上げ効果に期待する声も聞かれるようになっているが、今後の金価格に対する影響は限定的と考えている。一時的な需要増加圧力に留まる可能性が高い。

背景にあるのは、インド経済環境が依然として金輸入量の拡大を許容できる状況にはないことだ。9月の金輸入量が急増したことは間違いないが、その結果として貿易赤字・経常赤字の急激な拡大が確認されている。インド商務省も9月の貿易赤字拡大の原因について、「(金輸入の)普通ではない増加」と警告しており、早くもインド準備銀行(中央銀行)や業界団体と、金輸入規制の再強化について検討する方針が示されている。

インドでは、昨年9月から今年7月にかけて積み上げてきた外貨準備が9月以降、再び減少に転じている。世界経済環境の不安定化、米国の金融緩和「出口」が近づく中、当面は政策的に金輸入量の拡大を許容できない状況が続く可能性が高い。政権交代で輸入規制緩和に期待する声も多く聞かれていたが、その可能性は低いとみている。9月の「金輸入増加→貿易赤字拡大」の動きが、逆に規制強化のリスクを高めている。インド国内のプレミアムが上昇すれば密輸などの「統計外」需要が拡大するのだろうが、公式ルートの落ち込みを相殺できるのかは疑問視している。

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