チョコレートが食べられなくなる日

国連のバリー特別代表は世界的な広がりを見せているエボラ出血熱に対して、10月1日からの60日間が勝負との見方を示した。このエボラ熱の感染拡大がコモディティ市場に及ぼす影響としては、世界経済への影響が景気連動性の強い工業品相場に対する押し下げ要因になり得る。特に航空旅客規制などが導入されると、東南アジアで鳥インフルエンザが拡散した時と同様にジェット燃料(石油)需要見通しなどに大きな影響が生じる可能性があり、今後の展開には注意が必要である。

一方、投機マネーはエボラ熱で逆に上昇する銘柄も模索しており、商品市場でその筆頭に上がっているのがチョコレートやカカオの原料になるカカオ豆相場である。カカオはアフリカ(特にコートジボアール、ガーナの2カ国)で総供給の73%が生産される寡占市場にあるが、この生産地がエボラ熱の感染拡大地域を重なることで、供給懸念が広がっている。特にコートジボアール1カ国で40%が生産されており、この国で農場労働者の確保や輸送などに影響が生じると、カカオ産業は大きなダメージを受ける可能性がある。

実際に、9月下旬には急激なドル高環境にあってICEのカカオ豆相場は最大12.6%の急伸を記録している。しかし、10月入りしてからは同相場も急反落しており、マーケットではこの問題を十分に価格に織り込んでいるのか疑問の声も聞かれる状況になっている。カカオ豆相場は、エボラ熱に対する商品市場の危機感を計る指標の一つとなりそうだ。

なお、他に医療用ゴム手袋需要への影響という観点から天然ゴム価格の上昇要因との指摘もあるが、天然ゴムの需要構造を考慮すれば、この辺は連想が過ぎよう。この観点であれば、まだ医療用ゴム手袋メーカー株の方に妙味があり、東南アジアなどでは9月にテーマ株として物色の動きも報告されていたが、10月は世界同時株安の影響でその流れも一服している。

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