ブラード地区連銀総裁の発言、金価格見通しへの影響を考える

10月28~29日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では、量的緩和(QE)の資産購入停止が規定路線になっている。こうした中、セントルイス連銀のブラード総裁が16日、その決定を先送りする必要性を指摘したことが話題になっている。

同総裁は、市場のインフレ期待が低下していることに懸念を表明した上で、現段階でこうした動きに歯止めを掛けるには、資産購入停止を先送りすることがロジカルな判断である可能性を指摘している。金融市場の混乱が加速する中、「下振れリスク」の予防論的な観点から、緩和縮小ペースを緩める必要性を訴えた形である。

この種の発言は、金融緩和縮小に怯えて急落してきたドル建て金相場にはポジティブ材料となるが、実際の金相場は1,240ドルの節目を挟んでの小動きから特に目立った動きを見せていない。背景にあるのは、いずれにしても利上げ着手の方向性には変化がないとの見方である。同総裁はQE終了の先送りを主張する一方で、米経済のファンダメンタルズの強さを再確認しており、利上げ時期は来年1~3月期との予想を崩していない。

16日の米株式市場では、米金融当局の政策対応への期待感が下値を強力にサポートしたが、確実視されていたQE終了を先送りすることは逆にマーケットに誤ったシグナルを発しかねないリスクもある。出口戦略の難しさが再確認できる状況にあるが、金価格の中期トレンドに対する影響は、下落ペースの鈍化要因といった評価に留まろう。短期トレンドは金融市場の混乱に刺激を受けて強含み易い相場環境になっているが、「世界市場の混乱が米経済の見通しに影響を及ぼさない」(ブラード総裁)という基調判断が修正を迫られない限りは、一時的な上昇圧力と評価すべきと考えている。

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