原油のディスカウント競争続く

イランの11月アジア向け原油(Light)公式売却価格は、ベンチマークのオマーン/ドバイ産原油に対して1バレル=0.82ドルのディスカウントとなった。既にサウジアラビアがアラブライト原油を1.05ドルディスカウントすることを発表しているが、中東地区では供給がだぶつく中で、原油売却のディスカウント競争が発生していることが再確認できる状況にある。

北米のシェールオイル増産による需給ひっ迫リスクの後退を底流に、欧州経済の急減速、更にはリビア産原油の市場復帰によって短期需給に緩和圧力が強まる中、サウジは8月に日量40万バレル規模の生産調整に踏み切り、需給緩和度合いの軽減を働き掛けた。これが、9月の急激なドル高環境にあって、原油相場が下げ渋った背景である。

しかし、11月27日の石油輸出国機構(OPEC)総会に向けて、市況対策としての本格減産には消極的であり、足元では売却価格のディスカウントで市場シェアを死守する方針を鮮明にしている。この動きにイランも追随した形であり、現段階では産油国サイドの論理で原油安に本格的にブレーキを掛けるような動きは見られない。

もっとも、イランでは財政均衡に必要とされる原油価格はブレントで130ドルとも推計されており、現在の90ドル水準のブレント原油相場は石油輸出国機構(OPEC)全体でみても、必要される原油価格水準を下回り始めている可能性が高い。北米のシェールオイルに関しても継続的な投資へのリスクが指摘され始めており、需要の伸び鈍化に見合った供給規模へのダウンサイジングを求めるため、価格水準への押し下げ圧力が発生しているのが、現在の原油相場環境とみている。

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